ミライ、花開く。

日記

 先日、行われたJ・G1中山大障害。障害競走の絶対王者オジュウチョウサンの引退レースとしても注目されたこのレースを制したのは、まさかのニシノデイジー。
 めちゃくちゃ嬉しかったですね。デイジーは自分が競馬始めたころに最初に名前を覚えたといっても過言ではないくらい、最初に好きなった馬。期待されたクラシックは残念な結果に終わり、古馬になってからの不振。距離を変え、ダートに転向しても、成果は得られない日々をずっと応援してきました。それが今年に入って、最後の希望といいましょうか、たどり着いた障害競走という舞台で報われるとは、思いもしませんでした。
 障害初挑戦で3着、次走は難なく勝利。これだけでも約3年ぶりの勝利ということで感激したものです。前走障害OPで2着。休み明けちぐはぐなレースでこの着順なら、このクラスでもやっていけそうくらいには思ってましたが、いきなりJ・G1中山大障害に出走すること自体驚きですし、しかも勝ってしまうとは・・・。まったく期待がなかったなんてことはないですが、そんあに競馬は甘くもないといのは何度も経験していますので、見せ場くらいあったらいいな程度におもっていました。それがあの完勝劇。驚きと嬉しさと、万感の思いが溢れました。本当に競馬を続けてきてよかったと思える瞬間です。

 レースを振り返ると、スタートは良くなく後方気味に。今まで逃げるか、番手で、障害レースは結果をだしてきたので、正直この時点では厳しいなと思いました。何とかポジションを上げていけないかと祈るような気持ちで見ていました。すると一週目後半までに4、5番手あたりまでに自然と上がっておりこれはと期待も高まります。
 勝負は2週目、コーナーでインをつき、一気に三番手まで。ここが絶妙でしたね。この時点でこれは見せ場はあるなと、もしかしたらと、期待の方が高まってきます。そこからすかさず仕掛けていき先手を奪おうとします。ですがここで唯一そうはさせまいと抵抗してくるケンフォファヴァルト。しかし、だんだんと手ごたえの差が出てきて、最終障害前にはデイジーの独走状態。この時点で私の興奮は最高潮。見せ場どころか、勝てるぞと、あとはオジュウなり、人気どころの差し込みをしのげばと祈るだけ。5馬身近くリードを保って最終直線。後続も迫ってくるが、デイジーも止まる気配なし。終わってみれば、3馬身差の圧勝。
 

 デイジーのこの圧勝劇は、障害レースの才能というよりかは、単純に競走能力がやはり違うのではないかと思います。重賞を1つ勝つのと、2つ勝つのではレベルが違う。偶然や展開の利だけで、2勝はできません。2歳時の完成度の差というのはあると思いますが、1つは超出世レース東京スポーツ杯。ここ数年の連続G1馬排出記録の唯一の穴みたいな存在だったデイジーがここに来て、G1タイトルを取れたのは必然といえるかもしれません。デイジーの今までの不振はやはり、気性面、精神面が難しかったことに尽きる。年齢を重ねてきて少しは落ち着いたのかな。不振時の成績からいつ引退してもおかしくなかった。それでももうもうひと花咲かせたいと、あきらめなかったオーナーの執念の勝利です。
 西山オーナーの浪漫の牝系。セイウンスカイ・ニシノフラワーの娘ニシノミライから繋がれた、一筋の未来。それが今、途切れようとした苦難を乗り越えて、花咲かせるとは。競馬のドラマをリアルタイムで体感させてもらいました。

 障害界をけん引してきた、オジュウチョウサン。その去り際に新たなニュースターの誕生。出会いと別れの暮れの大舞台。本当にいいものを見させてもらいました。今後の障害界のためにも、元からファンの多いデイジーの勝利は大きいものがあるでしょう。さすがにオジュウほどの絶対的存在とまでとはいいませんが、この馬の活躍が障害レースの人気を高めてくれることは間違いないですから。

ニシノデイジー、その花がこの先のミライもずっと、咲きつづけることを願っています・・・

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