2022年最後の中央競馬G1レースは、14番人気が勝利する大波乱で締めくくられました。まさに2022年、1番人気がことごとく負ける波乱の年を最後まで表しました。年初めのころは、前年に多くの活躍馬が引退し、尚且つその古馬相手でも、天皇賞秋・有馬記念を制覇した、エフフォーリア1強の時代が来ると思われていました。ですが実際にはそのエフフォーリアが、本来の力を発揮することができず、古馬戦線は混沌とした状態に。やはり前年に今までその路線を引っ張ってきた、トップ層の古馬たちが引退して、どの馬にもチャンスがある群雄割拠の時代と言えたのでしょう。
クラシックにしても結局一番人気が勝つことはありませんでした。年明けにスターズオンアースが2冠取ると思ってた人おる?どこか勝ち切れないイメージがあり、実際重賞では2度2着に来ていますが、決して悪い騎乗ではなく、本当に勝ち馬の能力に屈した印象でした。それが2冠、秋華賞も一番強い競馬して3着。本番に強いタイプとはわかりません。
競馬において、年初めに思っていた勢力図などホントにあてになりません。2歳時から三冠濃厚と思われ、本当に達成したコントレイルの偉大さを改めて感じます。とは言え、当たる当たらないはともかく、未来の想像することも競馬の楽しみの一つです。2023年の競馬に期待すること、この馬の活躍がみたい、この馬達の対決が見たい、日本馬が海外で活躍する姿がみたいなど。今のうちに記しておきたい
古馬戦線
イクイノックスの時代
まず気になるのは、イクイノックスの活躍。次走は海外含め検討中とのこと。ドバイが有力でしょうか。世界でもその力は通用することは間違いないですが、やはり体質面弱いところがネックな馬ですから、無理だけはしてほしくないですね。無事に過ごし、宝塚記念でタイトルホルダーとの再戦は見てみたい。あとはもちろん、ドウデュースへのリベンジマッチは見たい。ジャパンCが舞台としては最適か。アスクも含めダービー組の再戦はどれも熱いですね。
ソーヴァリアントG1へ
本当なら去年、古馬戦線を席捲していてもおかしくなかった逸材。春を骨折で棒に振り、秋の復帰戦で心房細動。結局一昨年勝ったチャレンジCを連覇で、一年仕切り直しといったところ。今年こそは順調に、それだけが願いです。この子は本当にトラブルに愛されているとうか、未勝利取り消しのカフェイン事件から始まり、順調をことごとく欠いて来た馬。このまま大舞台に出走することなく終わることだけはやめてほしい。苦難の道の先の栄光を今年こそ。
復活のエピファネイア
ジャパンCで、デアリングタクト。有馬記念でエフフォーリアと、エピファネイア産駒の実績馬達が、近走の不振から脱却の兆しを見せてくれました。もちろん、2頭の実績を考えればまだまだ物足りないの正直な感想ですが、目をつむりたくなるような変わりようからは前進したように思います。エピファ産駒は早熟というレッテルを張られかけていますが、決してそうは思いたくない。父の栄誉のためにも2頭には復活の走りを見せてもらいたい。
ダートの世代交代
一昨年は芝の実績馬の引退が多かったですが、一年回って昨年はダートの古豪たちの引退が目立ちました。テーオーケインズはまだ健在ですが、チャンピオンズCをダート転向したばかりの新星ジュンライトボルトが制し、2着3着は3歳馬と新しい顔が勢ぞろい。このメンバーが4、5年くらいこの路線で切磋琢磨していくことでしょう。個人的には、鞍上が名牝ブエナビスタを引き合いにだす惚れこみぶりのハピの今年の飛躍には期待が高まります。
クラシック
牝馬
牝馬路線は間違いなく、リバティアイランドを中心に回っていくことでしょう。スローペースを勝ち切るキレ。ハイペースに対応する力強さ。展開不問の強さには脱帽ですが、それだけマークが集中すれば取りこぼしも。そこまで器用な感じもしないので、枠や駆け引きしだいでは他の馬にだってチャンスあり。ラヴェル・ウンブライル・モリアーナ・ドゥーラ・サンティーテソーロあたりの阪神JFで人気をしてが、力出せなかった組の巻き返しには期待したい。
牡馬
ドルチェモアが無敗でG1を制し、今のところ一番の有力馬といえるでしょうか。でもなんというか、そこまで絶対感ないのはなんででしょう。この馬は強いというよりか上手いといった方がしっくりくる感じがします。朝日杯組に対して、メンバーレベル的には、ホープフルSの方が高い印象でしたが、そのホープフルSがまさかのゲキ荒れ。勝ったドゥラエレーデも良血ではあるのですが、展開恵まれた感はどうしてもぬぐえないので、どうにも今年の中心となる牡馬というのが見えてこない。まだ見ぬ有力牡馬が現れるのだろうか、誰が勝つのか見当もつかない混戦模様の牡馬クラシック。
凱旋門賞
日本競馬の夢、凱旋門賞。今年挑戦する馬はいるのでしょうか。昨年は近年でもかなり有力なメンバーだった思いますが、近年稀に見る土砂降りの馬場に力出せず。馬場を言い訳にしては一生勝てないとも思いますが、さすがに昨年はやばかった。ただここで、馬場だけを考えて道悪巧者を送りだせばいいのか、ダート馬を行かせろなんて声もありますが、私としてはそれは違うと言いたい。凱旋門賞をただ勝てばいいのではなく、日本で一番強い馬が勝つことに意味がある。欧州最高峰の舞台である、凱旋門を日本で一番強い馬が勝てば、それは事実上世界最強と言えます。馬場とか展開とか、競馬を行う上で勝敗に関わる要素ではありますが、時折そんなもの関係ない、暴力的なまでの能力差で勝つ馬も現れます。世界最強馬とはそんな馬にこそふさわしい。馬場適性など考えず、日本で一番強い馬に凱旋門賞に挑戦してもらいたい。それがイクイノックスなのか、春競馬で現れる新たなチャンピオンなのかわかりませんが、ぜひ楽しみにしたい。もちろん海外遠征とは簡単に行えるものでもないので、馬の体調面などは最大限考慮したうえではありますが、毎年の挑戦には期待したいですね。
まとめ
今年の3歳馬はレベルが高いのは周知の事実。そんな同世代の馬達が古馬となり、再び相まみえる姿にわくわくが止まりません。そこに負けじと年上の実績馬達が割り込んでいくのか。中距離こそイクイノックスが一歩抜け出した感はありますが、それ以外の路線は本当に群雄割拠。春、秋と限られた栄冠をつかみ取るのはどの馬なのか。古馬だけでなくクラシックも混沌としています。今年も海外で日本馬の活躍が見られるのでしょうか。競馬の楽しみは尽きない一年になりそうですね。
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